約 4,348,281 件
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/186.html
電人HAL アサシン ◆WRYYYsmO4Y 1に1を足すと2になる。 2に1を足すと3になる。 3に1を足すと4になる。 1を無限に足し続ければ、どんな数だって生み落せる。 途方もない数字であろうが、時間さえかければ不可能ではない。 しかし、1では決して生み出せない数が一つだけ存在する。 それは"0"だ。1の左隣に位置する、無を現す数字。 何度1を足したとしても、これだけは生む事が出来ない。 そして、逆もまた然りである。 0を何度足しても、絶対に1には届きはしない。 無から有を造り上げる事など、それこそ神の所業だ。 "1"と"0"。 二つの数字の間には、途方もない程の開きが横たわっている。 こんなにも近いというのに、その間を超える事はあまりにも難しい。 しかし、そんな不可能に挑んだ男がいた。 完全な"0"から、己が求めて止まない"1"を造ろうとした男が。 大学教授・春川英輔と、彼の脳をコピーした電子人格「電人HAL」。 十年に一人の天才と謳われた男と、彼の生き写しであるプログラム。 彼らは0と1の狭間の世界――即ち電脳世界にて、己が野望を実現させようとしていた。 新たな『刹那』を構築せよと。 かつて救おうと手を尽くし、しかし救えなかった女を造り上げろと。 電人HALの手によって、幾度もの演算が行われていく。 しかし、彼らは内心悟っていた。 思い出だけを頼りに女の生き写しを造るなど、何千年かけても無駄な事に。 例えるなら、猫にキーボードの上を歩かせ、偶然ショパンの詩が完成するのを待つようなものだ。 何十台ものスーパーコンピューターを用いたとしても、きっと途方もない時間がかかる。 そんな中、電人HALはあるデータを受け取った。 「ゴフェルの木片.exe」とだけ書かれた、差出人不明のプログラム。 ネットに潜ってみれば、様々な情報がHALの記憶に刻まれる。 方舟の存在と、その中で行われる聖杯戦争なる戦い。 嘘か真かも分からない情報は、何故だか彼の興味を引いた。 興味を引いたが故に、彼は己の力を行使した。 電脳世界に身を置く電人ならば、ハッキングなど容易である。 そうして、HALは知る。 月に存在する量子コンピュータと、もう一つの電脳世界。 そしてその世界には、たしかに聖杯戦争が行われていた。 聖杯戦争が真実ならば、賞品となる月の聖杯もまた事実。 不可能を可能にする力に、HALは瞬く間に魅了された。 聖杯の力を以てすれば、"0"を"1"に変えられる。 猫にキーボードの上を歩かせて、ショパンの詩を作る事が出来る。 決断してから、HALの行動は早かった。 春川には黙秘を貫いたまま、独自に電子ドラッグを改造する。 聖杯戦争という電脳世界の闘争に必要な、新たなHALの武器。 それを完成させるのに、そう時間はかからなかった。 そうして、新たに造られた武器を片手に。 電人HALは、ゴフェルの木片を"実行"した。 □ ■ □ 錯刃大学は、それといった外見的な特徴も無い平凡な建造物だ。 だが小さいかと言われるとそうではなく、最上階と地上とではそれなりの距離はある。 そんな大学の屋上にて、電人HALは独り立ち尽くしていた。 屋上を淡く照らす月をしばらく見つめた後、HALは「そろそろか」と呟く。 その直後、彼の目の前に現れるのは、古めかしい格好をした青年。 一切の気配も無くその場に姿を見せた彼の姿を見ても、HALは全く動じない。 それもその筈――自身のサーヴァントに対し、一体何を警戒する必要があろうか。 「この一帯に"さぁばんと"の気配は感じられん。しばらくは安全だろう」 「そうか。ならいい」 古めかしい外見によく似合う、古めかしい話し方。 この時代錯誤なサーヴァントの真名は、甲賀弦之介という。 「甲賀」の名字が示す通り、江戸時代に存在していたとされる本物の忍者だ。 なるほど、諜報と暗殺を生業とするアサシンのクラスに相応しいと言える。 「ところで、お主の手下はまだ来てないのか」 「いいや、彼等ならもうすぐそこまで来ている筈だ」 その瞬間。屋上と最上階を繋ぐドアが、勢いよく開かれる。 そこから出てくるのは、人、人、人の波。 ものの数秒の内に、錯刃大学の屋上に一つの軍勢が誕生した。 虚ろな眼をした傭兵達と、一組の主従を王とする軍勢が。 「……まこと恐ろしき術よ。他者を意のままに繰るなど、人の業とは思えんな」 「君の忍法に比べたら、大したものではないさ」 電子ドラッグ。 目視した者の脳神経を刺激し、理性から犯罪願望を解放させるプログラム。 HALは聖杯戦争に馳せ参じる以前、予めこの電子ドラッグを改造している。 電脳世界の住人を支配する為に構成されたそれは、言うなればHAL専用のコードキャストだ。 "0"と"1"の狭間にあるデジタルの空間において、電人は万能の存在だ。 彼のテリトリーである空間で作用するプログラムなど、容易に構築できる。 今HALに従っているのは、錯刃大学の学生達だ。 メモリーデータを封じられ、春川英輔として教鞭を振るっていた頃の知り合いである。 "春川英輔"を信用していた彼らも、電子ドラッグの手にかかれば"電人HAL"の尖兵に早変わりだ。 「だが用心なされよ"ますたぁ"。度が過ぎると"彼奴ら(きゃつら)"が来る」 「管理者(ルーラー)か。彼らがいなければ街の人間全員を洗脳してたのだがな」 HALがNPCに行っているのは、実質には電子データの書き換えだ。 電子ドラッグによる過度の洗脳は、何らかのペナルティを受ける可能性も考えられる。 その気になれば、公共の電波を利用して冬木市をドラッグ漬けにもできるだろうが、 そんな真似をしたら最後、どんな処罰が待ち受けているのか分かったものではない。 「まあいい、上手くやっていけばいいだけの話だ」 HALがそう言った直後、彼の背後に一つの画像データが展開される。 学生達全員が目視できる様に見せられたこれこそが、彼が造り上げた電子ドラッグだ。 表示されたそれを目にした家来達は、目的を果たさんと一斉に踵を返し去って行く。 「聖杯戦争の参加者を見つけ出し、発見次第報告せよ」、と。 電子ドラッグに刻まれたその命令を、彼等は何の戸惑いも無く受け止めた。 一組の主従だけ後に残り、しばしの間、錯刃大学が静寂に包まれる。 聞こえてくる音といえば、通り抜ける風の小声くらいのものだ。 そんな沈黙を破ったのは、HALが発したシンプルな問いだった。 「……アサシン。私は、愚かだろうか?」 無理だと悟った夢を諦めきれず、奇跡に手を伸ばしたHALという名のプログラム。 そんな諦めの悪いデータの塊は、果たして正常に機能していると言えるのか。 問いを投げられたアサシンは、何ら動じる気配を見せない。 訝しげな目線を向けたまま、たった一言こう返した。 「我ら"さぁばんと"が如何なる存在か、もうお忘れか」 それを聞いた後、HALは自分の馬鹿馬鹿しさに気付く。 マスターがそうである様に、サーヴァントにも叶えたい願いがあるのだ。 時間と次元を超え、他者を切り裂いてでも成就させたかった祈りが。 奇跡に縋った者を、正常に機能していないと嗤うのなら。 それは即ち、サーヴァントそのものに対する嘲笑に他ならない。 「……そうだな。馬鹿な事を聞いた」 自嘲を含んだ返答の後、HALはまた空に目を向けた。 黒いペンキをぶちまけた様な景色では、月だけが煌いている。 そんな中、その暗黒を優雅に飛び回る影が一つ。 「鷹、か」 HALが目にしたのは、一匹の鷹であった。 こんな街中に鷹が飛ぶなど、本来在り得ない事だ。 大方、ムーンセルのちょっとしたバグが原因なのだろう。 バグとして生まれた鳥は、ただ一匹しか存在しない。 その一匹も、そう遠くない内にムーンセルに削除されるだろう。 生まれた場所を誤った"1"は、いずれは"0"に還るだけ。 あの鷹だけではない。この聖杯戦争で、きっと無数の"1"(生)が"0"(死)になる。 その0の羅列を積み重ねた末に、聖杯への道は開かれるのだ。 "0"から"1"を造りだすとは、つまりそういう事なのである。 それだけの代価を払わなければ、奇跡には手が届かない。 電人HALは、電脳世界のプログラムだ。 人間でもない0と1の塊などに、元より人の情などあるものか。 彼は一切の情けをかけず、聖杯に向けて突き進む。 例え"0"に還した願いが、「愛する者の蘇生」であったとしても。 そんなHALの意思を垣間見たかの様に。 電子の鷹は、鋭く鳴いてみせた。 □ ■ □ 鷹が一匹、飛んでいた。 人工物が立ち並ぶ街中には、酷く似合わない様である。 鷹が滑空する様を見て、アサシンが回想するのは最期の瞬間。 人別帖を鷹に預け、冷たくなった思い人を抱きながら、小刀で胸を貫いた。 それがアサシンの最良の選択であり、運命に弄ばれた結果である。 不戦の協約を結び、二度と争うものかと誓い合った筈の伊賀と甲賀。 しかし、幕府の暗躍によりその誓いは破られ、始まるのは血を血で洗う殺し合い。 殺戮の末に、アサシンを含めた二十人の忍達は、一人も残らず死に絶えた。 彼が愛した女性もまた、死んだ。 上空の鷹に注がれていた視線を、前方へと移す。 大学より向こう側では、光がひしめき合っていた。 その光の中では、CPU達が寄り添い合って暮らしている。 この街に、甲賀と伊賀の様な血生臭い対立は無い。 誰もが血縁に縛られず、自由に愛し合っている。 言うなればそれは、アサシンの求めた理想郷。 もしも、生まれた時が違えたのだとすれば。 アサシンは戦いを強いられず、煌びやかな街で平穏に暮らしていたのだろう。 愛する者と穏やかに過ごし、平和を噛みしめたに違いない。 「……朧」 かつて愛した者の名が、アサシンの口から零れ落ちた。 永遠の愛を誓い合い、しかし運命に殺された女の名。 彼女と抱擁を交わす為に、アサシンは聖杯を求める。 アサシンの相棒である、電人HALなる男。 この男も彼と同様、願い故に聖杯戦争に参戦した。 彼が願ったのは、「本城刹那」なる女性の復活。 同じだ、と。 願いを耳にしたその瞬間、アサシンの胸に生まれたのは深い共感であった。 彼もまた、愛した者との再会の為に戦っているのだ。 そんな男の願いを、同じ願いを抱えるアサシンがどうして馬鹿にできようか。 この男と共に全ての参加者の命を刈り取り、聖杯を掴んでみせよう。 そして、その暁には。 愛した者を負ぶりながら、その重さを背中で感じながら。 あの樹木が生い茂る土佐の峠を、一緒に歩いていきたい。 甲賀卍谷衆の忍ではなく、かつて殺し合った者同士でもなく。 ただ一人の男として、彼女に――朧に会いに行く。 鷹がもう一度、鋭く鳴いた。 【出典】バジリスク~甲賀忍法帖~ 【CLASS】アサシン 【マスター】電人HAL 【真名】甲賀弦之介 【性別】男性 【属性】中立・中庸 【ステータス】筋力:D+ 耐久:D 敏捷:A+ 魔力:C 幸運:D 宝具:B 【クラス別スキル】 気配遮断:A 自身の気配を消す能力。 完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。 ただし、「忍術」のスキルを併用すればランクの低下を抑える事が可能。 【固有スキル】 心眼(真):B 修行・鍛錬により得た戦闘論理。窮地において活路を導きだす。 忍術:A 甲賀卍谷衆の忍として研鑽し続けてきた類希なる武芸。 攻撃態勢に移った際、「気配遮断」のスキルのランク低下を抑える事が可能となる。 また、「気配遮断」のスキルを使用中に限り、筋力と俊敏のステータスにプラスの補正がかかる。 カリスマ:C 軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる稀有な才能。 【宝具】 『瞳術』 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~30 最大補足:50個 甲賀弦之介の忍術が宝具に昇華したもの。魔眼。 範囲内にいた「弦之介への殺意を帯びた相手」に対し暗示をかけ、強制的に自害させる。 暗示の強さはその時点における殺意の大きさで決まり、大きければ大きい程強烈な暗示がかける事が可能。 精神干渉を無効化するスキル、あるいは強固な精神力を持っていれば暗示を解く事は可能かもしれないが、 弦之介に対し激しい憎悪と殺意を抱いていた場合は、例えスキルの恩恵を受けようとも、暗示からは逃れられないだろう。 【weapon】 忍者刀を得物とする。 【基本戦術、方針、運用法】 アサシンのサーヴァントらしく、密偵と暗殺が主要となる。 気配遮断と忍術のスキルを併用する事で得られるアドバンテージを、如何に有効活用できるかが鍵になるだろう。 唯一の宝具は扱いやすいとは言い難いが、上手く使えれば必殺の一撃と成り得る。 【人物背景】 甲賀卍谷衆の頭領の孫であり、彼自身も甲賀の忍。 同じ忍者の里である伊賀鍔隠れ衆と敵対関係にあるのを良しとせず、両者が手を取り合う未来を夢見ている。 その証拠に、伊賀忍の頭領の孫娘である「朧」とは恋人同士であり、近い内に祝言で挙げる予定だった。 しかし、幕府は跡取りを決定する為に、伊賀と甲賀の間で結ばれた不戦の約定を破棄。各里の精鋭同士で殺し合うよう命令する。 激しく憎み合っていた両者は瞬く間に激突。次々と忍達は斃れていき、最終的には弦之介と朧で殺し合う事となってしまう。 幕府の要人達が見守る中、朧は弦之介に「大好きです」と伝え自刃。 そして弦之介もまた、全てが終わった後に川中で自害。抱えていた朧の亡骸と共に、水底に消えたのであった。 【サーヴァントとしての願い】 かつて愛し、しかし殺し合った女性との再会。 【マスター】電人HAL 【出典】魔人探偵脳噛ネウロ 【性別】男性 【参加方法】 春川英輔を殺害する前、ゴフェルの木片の電子データを用い聖杯戦争に参戦する。 事前にムーンセルにハッキングした事で聖杯戦争を把握している。なお、ゴフェルの木片の存在は春川には秘匿している模様。 【マスターとしての願い】 電脳世界で完全な「本城刹那」を構築する。 【能力・技能】 電脳世界においてはほぼ無敵であり、その実力は強大な力を持つ魔人の侵入を二度も退けるほど。 今回は制限によって著しく弱体化しているものの、それでもその性能は驚異的と言える。 原作では護衛として怪物を召喚する等していたが、此度の聖杯戦争でもそれが可能かは不明。 【weapon】 「コードキャスト 電子ドラッグ」 HALが聖杯戦争用に組み直したプログラム。 本来の電子ドラッグは、見た者の脳を刺激する事により、理性から犯罪願望を解放させると同時に、電人HALへの服従の意を刷り込ませる洗脳プログラムである。 今回構成された電子ドラッグには、見た者のデータを書き換え、電子ドラッグを多量に使用した状態にさせる効果がある。 当然ながら、電子ドラッグを過度に使用した者は例外なくHALの尖兵となってしまう。 NPCには効果覿面だが、サーヴァントやマスターにまで通用するかは現時点では不明。 電子ドラッグはインターネット等の回線を利用する事で拡散させる事が可能だが、過度の洗脳はペナルティを受ける可能性がある。 【人物背景】 錯刃大学教授・春川英輔の脳を複製したプログラム人格。 日本中に電子ドラッグをばら撒き、原子力空母「オズワルド」を占拠した事で世界中を混乱に陥れた。 その目的は、かつて春川が救えなかった人間「本城刹那」をプログラムとして電子世界に蘇らせる事。 オズワルドを占領したのも、そこを拠点としてスーパーコンピューターをかき集め、「本城刹那」の構築に専念する為だった。 しかし、彼自身も「1ビットたりとも違わない人間」を作り出すことは不可能であると悟っており、防衛プログラムを突破さえた際には素直に負けを認めていた。 その後、デリートボタンを押させる事で自ら消滅する道を選ぶが、完全に消滅する"刹那"、自らが最も求めていた者にようやく出会い、満足しながら消滅した。 【方針】 アサシンの特性を最大限活用し、優勝を目指す。 BACK NEXT 023 ジナコ=カリギリ・アサシン 投下順 025 武智乙哉&アサシン 023 ジナコ=カリギリ・アサシン 時系列順 025 武智乙哉&アサシン BACK 登場キャラ NEXT 参戦 電人HAL&アサシン(甲賀弦之介) 041 破戒すべき全ての電人(ルールブレイカー)
https://w.atwiki.jp/stselysium/pages/50.html
赤司征十郎は、穂群原学園バスケ部の帝王である。 その圧倒的な実力により1年生にして主将に指名され、先輩たちもそれについて一切文句を言わなかった。 だが本人にとって、現在の状況は何ら価値を見いだせないものであった。 赤司は、早々に違和感を覚えていた。 なぜ自分が、こんな弱小校のバスケ部に籍を置いているのか。 あえて劣悪な環境に身を置くことで、おのれを奮い立たせる人種もいるだろう。 だが赤司は、そういうタイプの人間ではない。 迷うことなく、強豪校を選ぶ人間だ。 つまり今の状況は、自分自身で選択した結果ではない。 その考えに至ったとき、彼は記憶を取り戻した。 ◇ ◇ ◇ 時刻は夕刻。赤司は高級マンションの一室で、紅茶を飲みつつリラックスしていた。 このマンションに一人暮らしをしているというのが、赤司のロールである。 赤司の態度に、生死をかけた戦いに放り込まれたという恐怖や絶望はまったく見られない。 なぜなら、彼にとって勝利は呼吸と同じくらい当然のことだからだ。 たとえ不本意に参加させられた戦いであっても、それは変わらない。 自分が聖杯戦争を勝ち残り、元の世界に帰る。それは赤司にとって、確定した未来である。 そのためには何人もの人間を犠牲にすることになるだろうが、それは仕方の無いことだ。 悪いのは、自分と争うことになってしまった彼らの運である。 (さて、いつも通りならそろそろアサシンが戻ってくる頃だが……) 赤司は時計に視線をやり、そんなことを考える。 するとそれにタイミングを合わせたかのように、一人の青年が部屋の中に姿を現した。 彼のサーヴァント・アサシンである。 「ただいま、マスター」 「どうだった、今日の結果は」 「いやあ、さすがに毎日毎日上手くはいかないね。今日は収穫ゼロだったよ」 人なつっこい笑顔でそう報告するアサシンは、一見人畜無害な好青年である。 だが、人は見かけによらぬもの。 彼の正体はある世界で最強最悪の盗賊団として恐れられた、「幻影旅団」の一員である。 とはいえその中で飛び抜けた実力者というわけではなかったらしく、本人に言わせれば 「旅団のネームバリューのおかげで、ギリギリ英霊の枠に引っかかった」 というところらしい。 実際、彼のサーヴァントとしてのステータスはさほど高くない。 だがそれでも、赤司は彼のことを高く評価していた。 一つは「念能力」という、ステータスに反映されない能力を持つこと。 もう一つは、賢いこと。 おそらくは年下であろう自分を仮初めの主とすることをすぐに受け入れ、命令に忠実に動いてくれる。 一方で彼に判断を任せても、的確な行動を取ってくれる。 実に優秀な手駒である。 実際、今日は空振りだったとはいえ、アサシンはすでに複数の参加者を仕留めることに成功している。 「そうか。残念だが、そういう日もあるだろう。 ご苦労だったね。今日はもう休んでくれ。 また明日頼むよ」 「了解」 赤司の言葉に短く返答すると、アサシンは霊体化して姿を消した。 残された赤司は、何事もなかったかのようにまたくつろぎ始める。 赤司は、聖杯に興味は無い。 彼が望むのは元の世界に一刻も早く帰り、かつての仲間たちと戦うことだけだ。 ゆえに彼は、万能の願望機をかけた命がけの戦いを淡々と進めていく。 ただ、息をするように。 【クラス】アサシン 【真名】シャルナーク 【出典】HUNTER×HUNTER 【性別】男 【属性】混沌・悪 【パラメーター】筋力:C 耐久:C 敏捷:C 魔力:B 幸運:C 宝具:C 【クラススキル】 気配遮断:B+ 自身の気配を消すスキル。隠密行動に適している。 完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。 【保有スキル】 念能力:B 人間の体内で作られるオーラを、自在にコントロールする技術。 オーラを増幅すれば身体能力が向上し、遮断すれば気配を断てる。 鍛練を積めば、独自の能力を生み出すことが可能。 彼の宝具である「携帯する他人の運命」も、念能力の一種である。 情報抹消:D 対戦が終了した瞬間に目撃者と対戦相手の記憶から、能力、真名、外見特徴などの情報が消失する。 例え戦闘が白昼堂々でも効果は変わらない。 これに対抗するには、現場に残った証拠から論理と分析により正体を導きださねばならない。 彼が無法地帯で生まれ育った、戸籍上存在しない人間であることに由来するスキル。 【宝具】 『携帯する他人の運命(ブラックボイス)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:2人 操作系の念能力。 他者にアンテナを突き立てることにより、携帯電話をリモコンとして相手を操ることができる。 アンテナが破壊されると、効果は解除される。 また自分にアンテナを刺すことで、「自動操作モード」の発動が可能。 この状態では戦闘力が大きく上昇するが、自我が消失し機械的に戦う戦闘マシーンと化す。 使用中の記憶が失われることと肉体への負担が大きいことから、シャルナークはこの技をあまり使いたがらない。 『蜘蛛の足は一本にあらず(ヘッドレス・スパイダー)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:― 最大捕捉:― 幻影旅団の団員を召喚する宝具。 しかしシャルナークは旅団のリーダーではないため、召喚できるのは一人だけ。 一度使用すると、他の団員を召喚することはできなくなる。 また、団長であるクロロは召喚不可。 召喚の対象となるのはノブナガ、カルト、シズク、マチ、フィンクス、フェイタン、 フランクリン、コルトピ、ボノレノフ、ウボォーギン、パクノダの11名。 【weapon】 「携帯電話」 宝具の媒介として使用するアイテム。 彼自身によってカスタマイズされている。 【人物背景】 世界中で恐れられる盗賊集団「幻影旅団」の創設メンバー。団員ナンバーは6番。 優れた頭脳と豊富な知識を持ち、団長不在時には団員たちに指示を出すこともある参謀的存在。 しかし頭脳労働専門というわけではなく、戦いになれば他の団員に劣らぬ戦闘力を発揮する。 【サーヴァントとしての願い】 盗賊はただ奪うのみ。ゆえに、聖杯を奪う。 【マスター】赤司征十郎 【出典】黒子のバスケ 【性別】男 【マスターとしての願い】 聖杯に興味は無いが、自分が勝つのは当然のこと。ゆえに、勝つ。 【weapon】 特になし 【能力・技能】 「天帝の目(エンペラーアイ)」 「未来を見通す」と言われる眼力。 その正体は他者のわずかな筋肉の動きや呼吸から、次の動きを完璧に予測する人間離れした洞察力。 「カリスマ」 1年生から主将を務め、先輩を格下として扱ってもまったく不満の声が出ないほどのカリスマ性を持つ。 【ロール】 穂群原学園の1年生 【人物背景】 かつて帝光中学バスケ部にて、「キセキの世代」と呼ばれる天才たちを率いた司令塔。 良家の跡継ぎとして厳しい教育を受けており、亡き母から教わったバスケを唯一の心の安らぎとしていた。 しかし爆発的な成長を見せるチームメイトたちを前にして、「いつかついていけなくなるのでは」という焦りと恐怖に支配されていく。 やがて紫原との1on1で追い詰められたことがとどめとなり、二重人格者に。 以降は新たに生まれた人格が、常に表に出た状態となる。 卒業後は京都の洛山高校に進学し、1年生でありながら主将となりインターハイを制覇する。 今回はウィンターカップ開始直前からの参戦。 【方針】 優勝狙い
https://w.atwiki.jp/cafedeanri/pages/76.html
アサシン・肩装備考察S1マフラー S1マント S1ポールドロン 昔の領主のマント ランニングシャツ ファルコンローブ ヴァーリのマント S1スキンオブベントス S1ディアボロスマント 肩装備カード アサシン・肩装備考察 S1マフラー DEF2の肩防具。ノービス以外の全職が装備可能な為、他職との使いまわしを考える方ならば。 S1マント DEF4の肩防具。アサシンでは主流と思われる肩装備です。 剣士系や商人系も装備出来る為、それらの職との使いまわしも可能です。 S1ポールドロン DEF5の肩防具。ぷち強いマントといったところ。 肩装備の中では最高峰のDEF上昇を誇るものの、ドロップが生体工学研究所3Fの エレメス=ガイルとハワード=アルトアイゼンのみ、それもカード並のドロップ率でしかないため 出回ること自体が珍しいほどの防具です。 昔の領主のマント DEF2、AGI+1の肩防具。これの真価はスロットエンチャントに成功した時だと思われます。 この性能そのままにカードスロットが付くので、AGIを極めたい方なんかは S1昔の領主のマントにバフォメットJrカード辺りを挿してみてはいかがでしょう。 ランニングシャツ やはりこの装備単品では使い物になりません。装備する場合は、鎧装備のブリーフと同時に。 セット効果に関してはブリーフの項をご覧になってください。 また、この装備はスロットエンチャントでスロットを追加する事も可能です。 もし追加する事が出来たらお化け装備へと変貌する事でしょう。 ファルコンローブ DEF+3、FLEE+15、完全回避+5の肩装備。 AGI型にとっての期待の新星。この装備単品のFLEE増加だけでもなんちゃって木琴。 おまけに完全回避もチョコcのそれと同じ上がり具合な為、運剣二刀やヨーヨーcと併用することにより 驚異的な完全回避を発動させることが出来るかもしれません。 ヴァーリのマント DEF+4、無属性攻撃ダメージ15%カットの肩装備。 ファルコンローブがなんちゃって木琴ならば、こちらはなんちゃってレイド。 しかし上記のファルコンローブよりは優位性が低いと思われるので もしレイド肩があるのであれば不要、無い場合は間に合わせで装備すると良いかも。 S1スキンオブベントス DEF+2にMDEF+2、MHP+200、FLEE+10のオプションがついた肩装備。 特筆すべきはやはりFLEE+10のオプション。この装備にウィスパーcかカヴァク=イカルスcを刺すだけで FLEE+30のお化け装備へと変貌します。 勿論それなりに高価ではありますが。AGI型キャラの最終目標装備としたいところです。 S1ディアボロスマント DEF+5に無属性耐性-5%がついた肩装備。 スキンオブベントスが対回避用装備だとしたら、こちらは対被弾用装備。 勿論刺すならレイドリックcやデビルリングcといきたいところ。 ただし現在の相場はスキンオブベントスよりも高価です。 また、未実装ながら魔王モロクに対する物理ダメージ10%増加と ディアボロスブーツと同時に装備した場合、MHP+6%のオプションもあります。 肩装備カード レイドリック(無属性攻撃ダメージ20%減少) 肩装備定番カードの一つ。通称レイド。 現在の仕様では、モンスターからの通常攻撃は殆ど無属性攻撃のため 事実上受けるダメージをほぼ20%減少出来るという素晴らしい性能のカードです。 このカードを挿す場合は過剰精錬が必須とも言えます。被ダメージを減らすのが目的なので。 アサシンでも、どんなにFLEEが高くても回避率は95%止まりな事、3体以上に囲まれるとFLEE減少判定がある事、 そして対人戦等のことを考えると、装備する価値は十分にあります。 ウィスパー(FLEE+20、念属性攻撃耐性-50%) 肩装備定番カードの一つ。通称木琴。 由来はウィスパーcを挿した時の接頭語が「モッキング」であることから。 すっかりこの愛称は親しまれ、ウィスパーcの他にもFLEE上昇系カードが実装された今では それらを全てひっくるめて「木琴」と呼称されることも。 AGI型にとってFLEE上昇の恩恵は大きく、これがあるだけで狩場が二段階広がると言っても過言ではないほど。 ただし念属性攻撃耐性が50%低下するという立派なデメリットもあり 属性鎧とこの装備を装着したまま念属性攻撃を受けると、非常にまずいことになります。 が、それでもアサシンならばレイドリックc以上は勿論、他のカードをひっくるめても最優先で入手したいカードです。 ヒェグン(FLEE+15、クリティカル+1) 木琴系カードの一つ。ウィスパーcよりFLEEの上昇は控えめなものの デメリットが無いこと、クリティカルが1上昇する事、 ウィスパーcよりは手頃な価格で購入できる事などからこちらを選ぶアサシンも多いです。お好みでどうぞ。 カヴァク=イカルス(FLEE+10、精錬値4以下の場合更にFLEE+10、完全回避1) 木琴系カードの一つ、というよりは現在のFLEE装備の主流となりつつあるカードです。 精錬値4以下でなければただのコンドルcと化してしまいますが、木琴系カードの場合は 精錬値はそれほど重要ではないため、さほど気にはならないでしょう。 この精錬値4以下さえクリアしていれば、本家木琴の完全上位互換カードでもあります。 バフォメットJr(AGI+3、クリティカル+1) AGIを極めたいのであればこのカード。 クリティカル上昇狙いならばヒェグンcにしておいた方が良いでしょう。
https://w.atwiki.jp/otomadstar/pages/989.html
▽タグ一覧 Fate のじゃロリ 中国 拷問 音MAD素材 ニコニコで【不夜城のアサシン】タグを検索する 概要 『Fate/Grand_Order』に登場するサーヴァント。
https://w.atwiki.jp/blacklist/pages/313.html
【アサシン用装備】【武器】へ ツインダガー 初期装備、武器屋 Lv30〜 攻 28 属性 無 強化 2 重量 50 筋力+3 敏捷+6 器用+5 攻補+6 Lv30〜 攻 38 属性 無 強化 2 重量 50 筋力+3 敏捷+10 器用+5 攻補+6 霞の双剣 ガチャガチャ第14弾 Lv30〜 攻 30 属性 無 強化 3 重量 50 敏捷+8 器用+5 回避+5 筋力+3 防補+2 攻補+6 Lv30〜 攻 40 属性 無 強化 3 重量 50 敏捷+12 器用+5 回避+5 筋力+3 防補+2 攻補+6 Lv30〜 攻 43 属性 無 強化 3 重量 50 敏捷+14 器用+5 回避+5 筋力+3 防補+2 攻補+6 ツインシックル ガチャガチャ第17弾 Lv35〜 攻 38 属性 無 強化 2 重量 50 敏捷+12 命中+5 回避+7 攻補+6 TP+30 魔防+2 初期竜魂 降魔石 Lv35〜 攻 49 属性 無 強化 2 重量 50 敏捷+17 命中+5 回避+7 攻補+6 TP+40 魔防+2 初期竜魂 降魔石 Lv35〜 攻 53 属性 無 強化 2 重量 50 敏捷+19 命中+5 回避+7 攻補+6 TP+45 魔防+2 初期竜魂 降魔石 ツイントゥース 亡霊騎士(落) Lv35〜 攻 属性 無 強化 2 重量 Lv35〜 攻 40 属性 無 強化 2 重量 50 敏捷+13 TP+10 回避+4 攻補+6 魔龍の牙 ガチャガチャ第20弾 Lv40〜 攻 属性 無 強化 1 重量 Lv40〜 攻 58 属性 無 強化 1 重量 50 敏捷+21 命中+8 回避+10 攻補+7 TP+40 魔防+4 初期竜魂 達人石 降魔石 Lv40〜 攻 62 属性 無 強化 1 重量 50 敏捷+24 命中+8 回避+10 攻補+7 TP+40 魔防+4 初期竜魂 達人石 降魔石
https://w.atwiki.jp/sinnkirouex/pages/31.html
@@情報募集中@@
https://w.atwiki.jp/mhfyj/pages/199.html
武器/片手剣 アサシンカリンガ( あさしんかりんが / ) 攻撃力000/属性000/○○○/費用000z コメント予定
https://w.atwiki.jp/viptopro/pages/18.html
AX エンペブレイクのときはLUKでスタン調節はやめとくほうがいいです(LODで呪われた後スタンする) EDPSBなりグリムする場合は ドレイク裏切り フリオニ裏切りが最低限欲しいと思う。 付与はベストが聖 時点で土風 相手が落ちないときに試すぐらいの闇毒。 常時闇毒は絶対しないほうがいい。風で落ちない相手はs風鎧の場合があるから土に変えて打ち直すなりしたほうがいい。 クロークを過信しすぎない
https://w.atwiki.jp/riotact/pages/31.html
エアタイム アサシン 射撃スキルを使って車等を爆破させてもOK。 ロケランで敵5人まとめて倒しても解除されました。 ※ジャンプなどの『滞空時間』中に『5人以上』をやればイイので、五人で固まってる事が多い、シャイゲン、ヴォルグ両勢力で解除するAgentが多いだろう…>ロケラン、グレラン入手後
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou2nd/pages/276.html
オルテガ&アサシン ◆5FR2vTtitI それは夕食時を少しばかり過ぎた時間帯の話。 薄暗い路地にて、物陰に隠れた一人の男が気配を絶っていた。 目深に被られたキャップの奥に光る目は、猛禽類のように鋭い。 ネックウォーマーによって隠された口がどうなっているのかは傍目には分からないが、きっと真剣に噤んでいることだろう。 当然だ。彼は今、目と鼻の先にいる相手をどう仕留めるべきかと考えている最中なのだから。 故にニヤニヤと笑っている暇など無いに等しいのだ。というか、そもそも彼はそんな性格ではない。 彼の名はエイデン・ピアース。 アサシンのサーヴァントである。 『おい、見つけたのか? どうだ? 殺せそうか?』 『見つけました。マスター……ですが、相手は子どもです』 『子どもぉ? マスターがぁ?』 『はい……サーヴァントは出払っているようですが……』 彼の左手に収まっているスマートフォンからは、先程から音声が垂れ流されている。 録音された音声ログを再生しているわけではない。これはリアルタイムなものだ。 一体どういうことかというと……答えは単純明快。エイデンは、通信傍受を行っているのだ。 『……で? 子どもだからどうしたというんだ?』 『……はい?』 対象は、目と鼻の先にいるマスターらしき――紛らわしい表記で申し訳ないが、エイデンのマスターではない――男性だ。 相手は恐らく、召喚したサーヴァントだろう。どうやら魔術的な傍受を恐れるあまりに、電子機械での会話を行っているようだ。 そのせいで科学的に傍受されてしまっているのだから、本末転倒ではあるが。 『相手が子どもだろうと、相手はマスターだ。殺せ』 『……し、しかし』 『しかしじゃない。別れる前に言っただろうが。女子供でも容赦はするなと』 会話が剣呑な雰囲気に呑まれていくにつれ、エイデンの瞳が鋭さを増す。 数分前から通信傍受を開始した時点で確信していたが、やはりこのマスターは……早々に始末するべきだ。 そうだ。女子供も皆殺しにせよなどと言い放った時点で、もはや相手は〝容赦すべきではない敵〟へと変貌しつくした。 少なくとも、姪を殺した相手への復讐に全てを捧げたこのエイデンにとっては。 『ああ、もういい! ならば令呪を使うまでだ!』 スマートフォン越しに怒号が響く。攻めるなら今だろう。 手をこまねいていては子供が危ない。戸惑いを覚えているサーヴァントも、手を汚してしまう! 『令呪によって命じ――』 横暴なマスターが、残酷な命令を下そうと声を荒げる。 その瞬間、エイデンの指がスマートフォンを操作した。 『どわっ!?』 するとどうだ! 相手のすぐそばにあった変圧器が、突如爆発したではないか! 集中力を削がれたマスターは、目を丸くして辺りを見回す。どこからか襲撃を受けた、と見紛っているのだろう。 間違いではない。何故ならこの変圧器の爆発は、エイデンのスキルによって成されたのだから。 アサシンのサーヴァント、エイデン・ピアース。 彼は高度な〝ハッキング〟を仕掛けられる秀才である。 『な、何だ!? 何事だ!?』 『ど、どうされましたかマスター!』 『どこだ! 出てこい! アサシンか! アサシンのサーヴァントか! 畜生ッ!』 スマートフォン越しに聞こえるわめき声を無視し、エイデンは物陰から飛び出した。 令呪によってサーヴァントを呼ばれる前に、手早く始末をつけなくてはならない。 再びスマートフォンを操作し、今度は相手の通信を強制的に切断する! 「も、もしもし!? もしもし!?」 そして、もはやスマートフォンを介さずとも叫び声が耳に入る、そんな位置にまでエイデンは迫った。 「くそっ! 令呪によって――」 「遅いな」 エイデンは、右手に持った警棒を大げさに構えた。 相手は恐怖し、サーヴァントに命令を下すことも忘れて逃げ出す。 路地から広い道へと場を移し、人混みに紛れて仕切り直そうと考えているのだろう。 なるほど、人口を思うにかくれんぼには最適だ。 だが、だからこそ決して気付くまい。それこそがエイデンの狙いだということに。 『も、もう一度だ……もう一度……令呪を――』 へとへとになりながら路地を脱した彼は、車道を横切ろうと必死に走った。 そして息をきらしつつも、再び令呪の使用を企んでいるのだろう。スマートフォン越しに呟きが聞こえる。 さぁ、仕上げだ。 「俺の事はいくらでも恨めばいい」 エイデンの指がするりと動く。 「さよならだ、見知らぬマスター」 瞬間、街を彩っていた光が全て消え失せた。 「……終わったな」 建物の電気が、街灯が、信号機が、それら全てが例外なく力尽き、一寸先すら見えない真の闇が広がった。 そして何かが激しくぶつかる音と共に、スマートフォン越しに痛々しい悲鳴が上がる。 視界を奪われたせいで何が起こったかを理解出来ていないらしいNPC達は、皆が一様に思い思いの疑問や恐怖の念を口にするばかり。 そして数秒後、街の電気系統が全て復旧すると……目の前の車道には、大きなトラックが停止していた。 その巨大なタイヤは、何者かの身体を押しつぶしている。 顔こそぐしゃぐしゃになっているが、血にまみれた衣服を見れば判別できる。 被害者の正体はずばり、混乱の縁にありながらもエイデンから逃亡しようとしていたマスターだった。 「まったく……」 大惨事に気付いたNPC達の悲鳴が飛び交う街の中を、エイデンは静かに歩く。 人々は気付くまい。先程の停電すら、このエイデン・ピアースの力によるものだということに。 ◇ ◇ ◇ 「終わったぞ、マスター」 「む? エイデン君か。どこに行っていたのかね?」 「やめてくれ。今の俺はアサシンだ。そういうルールだろう?」 「ああ、そうだったな。これは申し訳ない」 人為的な暗闇の中で大惨事が引き起こされてから数分後のこと。 アサシン、エイデン・ピアースは自身のマスターが待つ場所へと足を運んだ。 というより、舞い戻ったというのが正しい。何せ彼は、マスターの許可無く勝手に行動していたのだから。 「満足そうだな、アサシン君。良いことでもあったかな?」 「ん? 特に何もないが」 「いいや。その目はあれだ、何か成し遂げたときの目だ」 「……」 勝手に聖杯戦争の前哨戦を行ったことを見破っているのか、マスターは自信満々に言った。 だが咎めているわけではなさそうだ。何というか、改めて自分の性質を見定めようとしている様に見える。 「……そうだ。マスターを斃してきた。子供でも構わず殺せと、英霊に無理強いしていたからな」 たまらず、エイデンは白状した。 「ふむ……そうか。悪辣なマスターも混じっているということか。ならばサーヴァントはどうした?」 「俺を追いかけてくる様子はなかった。恐らくは単独行動持ちではなく、そのまま脱落したんだろう」 「なるほど。ならば……良いか。弱きをくじいたわけではないならば、私には何も言う権利はないな」 するとマスターは、安心するようにため息をついて笑った。 まるでそれは、失敗した子を安心させるための笑顔に見えた。 だからこそ、エイデンはアサシンとして彼に協力することにしたのだ。 エイデンのマスター。その名はオルテガ。 遙か南の洋上に浮かぶというアリアハンから、魔王バラモスとやらを倒すために旅立った勇者(他称)であるらしい。 にわかには信じがたい話だったが、嘘をついているような表情をしてはいなかった。 ドラッグをキメて妄想に浸ってしまっているのかとも思ったが、そうでもない。 彼は本気だったのだ。 証拠も見せてくれた。 装備した剣と盾は、場末のコスプレイヤーが持つそれとは一線を画すほどの出来映えだ。 そして彼はそれらの品を、まるで自分の身体の延長だとでも言わんばかりに操った。 しかもそればかりか、いわゆる〝呪文〟までも使い、小規模の竜巻まで起こしてしまった。 指輪の運び屋かメガネの少年か、それとも喋るライオンか……マスターにはどの隣人が相応しいだろうか? エイデンはそう思った。 そんな勇者オルテガは、一児の父だった。 妻と幼い子供は、アリアハンに置いてきたという。 次に会うのは魔王バラモスを倒したとき、だそうだ。 彼は、帰らねばならない。 戦いの大地へ、もう一度。 エイデンは決意した。他の誰でもない、彼の願いを叶えようと。 そうだ。彼は帰らねばならない。そして幼い子を抱きしめなくてはならない。 「マスター」 「……なんだ?」 「必ず脱出しよう」 「ああ。ありがとう」 彼は、俺のようになるべきではないのだ。 絶対に。 【クラス】 アサシン 【真名】 エイデン・ピアース@Watch Dogs(ウォッチドッグス) 【パラメーター】 筋力D 耐久D 敏捷B 魔力E 幸運D 宝具E 【属性】 混沌・中庸 【クラススキル】 気配遮断:C サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 完全に気配を断てば発見する事は難しい。 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 【保有スキル】 破壊工作:A 戦闘を行う前、準備段階で相手の戦力をそぎ落とす才能。 ランクAならば、相手が進軍してくる前に六割近い兵力を戦闘不能に追いこむ事も可能。 ただし、このスキルが高ければ高いほど、英雄としての霊格は低下していく。 陣地作成:C ハッカーとして、自らに有利な陣地を作り上げる。 小規模な”工房”の形成が可能。 上記の破壊工作スキルの副次的な効果がスキル化したもの。 迎え撃つために陣地を作るというよりは〝場を上書きする〟という意味合いが強い。 追跡:C+(A) トラッキング能力。 僅かな痕跡から敵の能力や行動パターンを予測し、現在位置を特定する。 パルクールやフリーランニングに準ずる走法、乗車などによる物理的な追跡も可能。 コンピューターネットワークを利用できる場合はランクが上昇する。 ハッキング:A+ 電子機器や大型機械、ネットワークなどを掌握する能力。 この能力は上記のスキル全ての根幹に関わり、また自身が持つ宝具によって力を底上げされている。 【宝具】 「Profiler搭載型スマートフォン」 ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:- Profilerと呼ばれる万能アプリケーションが搭載されたスマートフォン。 キャスターの保有スキルのほとんどはこの宝具によって発動するといっても過言ではない。 通信傍受や銀行口座番号ハック、車両警報の解除や無人機械の遠隔起動などを始めとする比較的小さなテクニックはもちろんのこと、 変圧器や蒸気配管に過負荷をかけて爆発させる、コンピューター統制された跳ね橋を上下させる、走行中の電車を強制的に停止させる、 信号機の色を操作することで交通事故を招く、街一帯を停電させる、などといった大規模な事件・事故を引き起こしかねない事象を起こすことも可能である。 あくまでも人の手によって作られた代物であることに加え、アサシンの犯罪行為を幇助しているために神秘性や格を得られず、非常に低ランクである。 ハッキングの内容によっては「対軍宝具」へと変化する。レンジ及び最大補足は対象や規模によってまちまちであるため表記されない。 【weapon】 宝具以外では、警棒や銃を使用。 【人物背景】 アメリカはシカゴに住む男性。 表の顔はソーシャルエンジニアだが、裏ではハッキングの請負人として働いていた。 だが敵から恨みを買ってしまい、姪のレナ・ピアースを殺害されてしまう。 その日から彼は復讐を決意し、妹が止めるのも聞かずに犯人捜しを決行する。 自身が悪人である事を理解してはいるが、同時に悪人を見逃すことが出来ない性質を持つ。 そのため、時には自身の復讐と無関係の犯罪行為に介入し、容疑者に制裁を加えることも多い。 【サーヴァントとしての願い】 マスターの想いを汲む。 悪人は許さない。 【基本戦術、方針、運用法】 基本的には「ステルス&バイオレンス」の精神。 手持ちの武器とハッキングを組み合わせ、敵を始末していく。 保有スキルのランクは高いが、スキルを使って追い詰めた後に役立てるかどうかは状況次第。 また、その強さはコンピューターに依存したものであるため、魔術を使う相手と戦う場合には……? 【マスター】 オルテガ@ドラゴンクエスト3 そして伝説へ… 【参加方法】 火山の火口に落ちる直前、共にどこからか落下してきたゴフェルの木片に触れる。 【マスターとしての願い】 元の世界に戻り、魔王バラモスを倒す。 だが善人に危害を加えることだけは勘弁願いたい。 【weapon】 剣と盾、そして呪文。 【能力・技能】 剣と盾を使って戦う。 風を起こす呪文や、怪我を癒やす呪文などを使うことが出来る。 【人物背景】 魔王バラモスを倒すため、妻と幼い息子を残して旅立った勇者。 正史では成長した息子の目の前で死亡するのだが、それより以前より参戦した。 恵まれたたくましい体格を持つ。 【方針】 脱出の方法を探す。